【書評・要約】『冒険する組織のつくりかた』──“命令と統制”から“探究と共創”へ
「うちの組織は、上からの命令ばかりで動きづらい」
「若手がすぐ辞めてしまう」「イノベーションが起きない…」
それはメンバーの能力不足ではありません。
実は、多くの組織が今も “軍事的世界観”──命令・統制・勝敗・上意下達を前提にした発想──を無意識に引きずっているからです。
安斎勇樹さんの新刊
『冒険する組織のつくりかた ― 「軍事的世界観」を抜け出す5つの思考法』は、
時代に合わない「軍隊型組織」から脱却し、メンバーが自発的に探究する“冒険的世界観”へ変わるための地図を与えてくれます。
「命令で動かす組織はもう古い。人が冒険できる組織へ、思考を変える」
新時代の組織づくりを探求するあなたにこそ手に取ってほしい一冊──
『冒険する組織のつくりかた』は、軍事的な組織観から脱却し、好奇心と当事者性を育む“冒険型組織”への道を描きます。
✔ 組織マネジメントの根本を問い直す5つの思考レンズ
✔ 命令支配から“問いかけ型”マネジメントへのシフト
✔ 実践編で使える20の鍵(目標設定・チームづくり・対話・学習文化など)
✔ 理論・事例・実践のバランスが取れた構成で読みやすく使いやすい
👉【『冒険する組織のつくりかた』の詳細・購入はこちら】
まずは“目次だけ”でも眺めてみませんか。読み始めると、自分の選択の背景が透けて見えてくるかもしれません。
「軍事的世界観」から自由になる5つの思考法
目標のとらえ方を変える
ノルマ・命令型ではなく、探究と意味を共有する問い型の目標へ。
人とチームを“旅人”として捉える
指示に従う兵隊ではなく、個人の好奇心やワクワクを尊重する。
会議を“伝達”から“対話”へ
指示伝達の場から、共に考え、意味を紡ぐ場へ変える。
学びをスキル習得から“アイデンティティの変化”へ
新しい役割や自分のあり方を発見するプロセスを重視する。
組織を“命令装置”ではなく“場”として設計する
個人が成長し、事業が育つ土壌としての組織をつくる。
なぜ「軍隊型」から抜け出す必要があるのか?
1) 環境が“複雑系”に変わったから
- 前提がすぐ変わる(市場・技術・規制・顧客ニーズ)。上意下達の一本線では判断が遅延。
- 情報は現場に集まる。指揮所集中はボトルネック化し、機会損失が増える。
→ 現場裁量と素早い仮説検証ができる分散意思決定が必須。
2) モチベーションの主流が変わったから
- 軍隊型は**外発的動機(評価・罰)**で動かす設計。
- いまの知識労働は自律・有能感・関係性への手当がないと力を出し切れない。
→ 自律度の低さ=熱量の欠損=採用・定着・生産性の悪化に直結。
3) 創造・学習が阻害されるから
- 「正解→遵守」を優先すると、試行回数が減る。
- 失敗が罰になると心理的安全性が下がり、提案・報告が止まる。
→ イノベーションは学習速度×実験密度。統制偏重はどちらも潰す。
4) 速度の“錯覚”を生むから
- 命令で即動くので短期は速く見えるが、現場の理解・納得が浅く巻き戻しが増える。
→ 長期のスループット(価値の完成速度)はむしろ落ちる。
5) 人材市場で不利になるから
- 若手・専門職は選べる。軍隊型の「自由の少なさ・成長機会の乏しさ」は採用広報の負債。
→ 退職率↑、採用単価↑、属人化↑の悪循環へ。
6) 倫理とレピュテーションの時代に合わないから
- 上意下達は現場の声・顧客の違和感を吸い上げにくい。
→ 早期にリスクを是正できず炎上・不祥事の芽を育ててしまう。
7) 例外処理に弱いから
- 軍隊型は標準状態の大量処理には強いが、例外が増えるとエスカレーション渋滞に。
→ “例外こそ収益機会”の時代、弱点がコアリスクになる。
こんな人に読んでほしい
1) マネージャー・チームリーダー
- 課題例:指示待ち文化が強い/自分が全部判断して疲弊/若手が動かない。
- 得られること:目標の描き方・対話のデザイン・意思決定の分散化など、「上からの管理」から「共創するリーダー」への移行の具体策。
2) 経営者・経営幹部
- 課題例:変化への対応が遅い/新規事業が生まれない/離職率が上昇。
- 得られること:軍隊型からの脱却を全社的に進める世界観の転換フレームと、組織変革の実装例。
3) 人事・組織開発担当
- 課題例:若手の早期離職/評価制度と成長支援のミスマッチ。
- 得られること:心理的安全性・学習・対話文化をつくる具体策。制度だけでなく日々の現場を変える視点が得られる。
4) プロジェクトマネージャー・PM
- 課題例:プロジェクトが計画通り進まず、想定外対応に追われる。
- 得られること:複雑な現場で分散意思決定を回す仕組みや、対話型の会議運営法。
5) スタートアップ・ベンチャーの創業メンバー
- 課題例:組織が大きくなって統制が強まり、当初の自由さが消えつつある。
- 得られること:成長と自律を両立させる組織デザイン、拡大期の文化づくりのヒント。
6) 現場メンバー・若手社員
- 課題例:上司の意図に従うだけでつまらない/自分の意見が通らない。
- 得られること:組織の中で自分の探究心や挑戦を実現するヒントと、リーダーと対話するための視点。
まとめ
私たちは長いあいだ「効率」と「統制」を信じ、
組織を“管理するもの”としてつくってきました。
でも、変化が激しく、個人の価値観が多様化したいま、
そのやり方だけでは前に進めなくなっています。
『冒険する組織のつくりかた』は、
そんな時代の壁を打ち破り、
管理の組織から、学び・挑戦・共創する“冒険の組織”へ進化するための実践書です。
目標の立て方から、会議、学びのデザイン、組織のあり方まで、
明日から試せるヒントが豊富に詰まっています。
もしあなたが、
- 「チームが指示待ちになっている」
- 「新しい挑戦が生まれない」
- 「このままでは人が離れてしまう」と感じているなら、
この本はきっと大きな転換点をくれるはずです。
👉 “管理の時代”を卒業して、“冒険の時代”をつくる第一歩を踏み出しましょう。
あなたの組織に、探究と創造のエネルギーを取り戻すために、
ぜひ『冒険する組織のつくりかた』を手に取ってみてください。


